歯のコラム

歯周病で抜歯が必要になるのはどんなとき?抜歯後の治療も

2026年8月15日

歯周病の歯茎と抜歯するイメージ

こんにちは。東京都千代田区「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」です。

歯周病は、成人の多くがかかるとされる身近な疾患です。初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行することが少なくありません。適切な治療を受けずに放置していると、歯を支える骨や組織が破壊され、やがて歯がぐらつき、最終的には抜歯が必要になるケースもあります。

この記事では、歯周病で抜歯が必要になる状態や、抜歯後の治療方法について解説します。歯周病による抜歯を防ぐために、毎日のセルフケアや歯科医院での定期的なメンテナンスの重要性についても解説します。

歯周病とは

プラークに繁殖した細菌と歯周病になっている歯茎のイメージ

歯周病とは、歯を支える歯茎や骨といった組織に炎症が起こる病気で、歯垢(プラーク)に含まれる細菌が主な原因とされています。

初期の段階では歯茎の腫れや出血といった軽い症状が出ますが、進行すると歯を支える骨が徐々に溶けていき、最終的には歯が抜けることもあります。また、歯周病は虫歯とは異なり、痛みなどの自覚症状が出にくいため、気づいたときには症状が進行していることも少なくありません。

歯周病の予防や早期発見には、日々のセルフケアだけでなく、歯科医院での定期的なチェックとプロによるクリーニングが不可欠です。

歯周病で抜歯が必要になるのはどんなとき?

歯周病で抜歯が必要になるのはどんなときか考えている男性

歯周病が進行すると、すべてのケースで抜歯になるわけではありませんが、放置していると抜歯が避けられなくなることもあります。抜歯を検討すべきかどうかを判断するポイントとして、以下のようなケースが挙げられます。

歯が大きく動揺している場合

歯周病が進行すると、歯を支える顎の骨が減少し、歯を固定する力が弱くなります。その結果、歯がグラグラと揺れ動くようになります。初期であれば軽度な動きにとどまりますが、重度になると指で触れるだけで前後左右に動く状態になります。

重度の動揺が見られる歯は、噛む力に耐えられず、噛むたびに歯や周囲の組織に負担がかかるため炎症が悪化しやすくなります。また、不安定な歯を無理に残すことで、隣の健康な歯にまで影響を及ぼす可能性もあります。

こうした場合には、機能の回復や口腔内全体の健康維持を目的として、抜歯が必要と判断されることがあります。

周囲の組織への悪影響が大きい場合

歯周病菌が引き起こす炎症が広範囲にわたると、周囲の歯や歯ぐきにまで悪影響を及ぼすことがあります。こうした場合、感染を食い止めるために、原因となる歯を抜歯することがあります。

合併症のリスクが高い場合

歯周病が悪化すると、周囲の歯や顎の骨にまで炎症が広がって膿がたまったり、顎骨炎などの合併症を引き起こすことがあります。

特に、糖尿病などの持病がある方は、免疫力が低下しているため、こうした感染症が重症化するおそれがあり、全身の健康に悪影響を及ぼすリスクも高くなります。感染の広がりを防ぐために、抜歯が選択されることがあります。

歯周病で抜歯するメリット

メリットと書かれた丸い木のブロック

歯周病による抜歯に抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、実は周囲の歯やお口の健康を守るうえで重要な役割を果たすこともあります。抜歯にはどのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。

周囲の歯への影響を防げる

深刻な歯周病を放置すると、炎症が隣接する歯に広がることがあります。細菌や膿が周囲へ広がることで、健康だった歯にも支障が出る恐れがあり、結果として複数の歯を失う原因になる可能性もあります。

早めに抜歯を行うことで、病変の拡大を防ぎ、他の歯を守ることができます。

全身への悪影響を抑えられる

歯周病菌は、口の中だけでなく全身に影響を及ぼす可能性があることが知られています。特に、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎などとの関連が指摘されており、歯周病の炎症を放置すると、これらの病気のリスクが高まる恐れがあります。

重度の歯周病による感染源を取り除くことで、全身への負担を軽減し、健康維持に役立てられるのです。

歯周病の進行を抑制できる

歯周病が進んだ歯を残したままにしておくと、炎症が周囲の歯ぐきや骨に広がり、ほかの健康な歯にも悪影響を及ぼすことがあります。重度の感染源を取り除くことで、口の中の細菌バランスが整い、歯周病の進行を抑える助けになります。

結果として、残っている歯の状態を安定させやすくなり、長く健康に保つことが期待できます。

歯周病で抜歯するデメリット

デメリットと赤字で書かれた丸い木のブロック

一方で、歯を抜くことには避けられないデメリットが伴います。

咀嚼機能の低下

歯を1本でも失うと、食べ物の噛み合わせのバランスが崩れ、咀嚼機能に大きな影響が出ます。特定の部位で噛めなくなると、ほかの歯に負担がかかり、結果的に健康な歯までトラブルを引き起こすことがあります。

また、食べにくいものが増えることで、栄養の偏りや消化不良を招く可能性もあります。日常生活の質を下げないためにも、歯を失ったあとのケアは非常に重要です。

審美性への影響

前歯や目立つ位置の歯を抜くと、笑ったときや話しているときに欠損部が目立ち、見た目の印象が大きく変わります。歯がないことで顔全体のバランスが崩れ、老けて見えるかもしれません。また、歯ぐきや骨が痩せることで、口元がへこんだように見えるケースもあります。

歯並びや噛み合わせの変化

歯を1本失うと、その周囲の歯が空いたスペースに徐々に移動し、歯並びに乱れが生じることがあります。また、咬み合う歯が伸び出してくるように動き、噛み合わせのバランスが崩れることもあります。

噛み合わせのズレは、顎関節や筋肉に過度な負担をかける原因にもなり、顎関節症や頭痛、肩こりなどの不調につながることがあります。さらに、食事中の咀嚼効率が下がり、消化に負担がかかる場合もあります。

歯周病が原因で歯を抜いたあとの治療法

歯周病で歯を抜いた後にブリッジ治療をするイメージ

歯周病によって歯を抜いたあとその部分をそのままにしておくと、噛む力のバランスが崩れたり、周囲の歯が傾いたりする原因になります。そのため、早めに適切な治療を行い、失った歯の機能を補うことが大切です。

抜歯後の治療法にはいくつかの選択肢があり、それぞれに特徴や費用、メンテナンス方法が異なります。以下で代表的な治療法をご紹介します。

入れ歯

入れ歯は、欠損した歯を補うために用いられる取り外し可能な装置です。歯周病によって複数の歯を失った場合でも対応しやすい治療方法として広く使われています。入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯の2種類があり、残っている歯の有無や本数によって選択されます。

部分入れ歯は、残存歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて支えるもので、総入れ歯はすべての歯を補うための装置です。費用を抑えられ、治療期間も長くなりづらいため初めて歯を失った方にも取り入れやすいのが特徴です。

ただし、強く噛みにくい、違和感が残る、見た目に影響するなど、使い慣れるまでに時間がかかる場合もあります。

ブリッジ

ブリッジは、欠損した歯の両隣の歯を支えにして人工歯を固定する治療法です。固定式のため、違和感が少なく噛みやすいという利点があります。

ただし、土台となる健康な歯を削る必要があり、その歯に負担がかかる場合があります。また、歯周病が進行している場合には、支えとなる歯の状態を慎重に見極める必要があります。

インプラント

インプラントは、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。見た目や噛む力が天然の歯に近い仕上がりになるため、見た目と機能性の両方を重視したい方に選ばれています。

基本的に周りの健康な歯に負担をかけないこともメリットですが、治療には一定の時間を要し、骨が不足している場合は追加の処置が必要なこともあります。また、インプラントを長持ちさせるためには、お口全体のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。

まとめ

歯周病で抜歯をした後の治療に満足して笑う中年男性

歯周病は早期に対処すれば進行を抑えられる病気ですが、重症化すると歯を支える骨が失われ、最終的に抜歯が必要になることがあります。抜歯には口腔内や全身への悪影響を防ぐという重要な意味がありますが、同時に噛む機能や見た目、ほかの歯への影響といったデメリットも伴います。

そのため、抜歯を避けるためにも早期の治療と日々の予防が何より大切です。もし抜歯が必要になった場合でも、入れ歯・ブリッジ・インプラントといった選択肢から自分に合った方法を検討することで、機能と見た目の両方を補えます。

大切なのは、ご自身の口の中の状態を正しく知り、信頼できる歯科医師と相談しながら治療を進めることです。

歯周病でお悩みの方は、東京都千代田区「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では、1本の歯を守ることにこだわって予防・治療を行っています。虫歯・歯周病治療のみならず、予防歯科や矯正治療、審美治療にも力を入れております。

当院のホームページはこちらWeb予約もお受けしております。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひご覧ください。

帆足 公人 理事長

■この記事の監修者

帆足 公人 理事長

経歴
  • 1981年、歯科医師国家試験合格、歯科医師免許取得後、米国ミシガン大学(University of Michigan)歯学部大学院に入学。 補綴学(入れ歯や差し歯、審美やインプラント、噛み合わせや顎関節症などを専門とする学問)と歯周治療学(歯周病を専門とする学問)のダブルマスター(2つの学科の専門医)を取得。両学科の講師を経て1990年に帰国。
  • 9年間のアメリカ留学中に学んだ先端歯科医療技術と同時に、予防に対する意識の高さに感銘し、日本での治療中心のCure(治療)からCare(ケア)への予防歯科医療を目指し、早くから日々の臨床に取り組んできた。
  • 1999年5月に現在の医療法人社団公歯会、神田橋デンタルオフィスを開業し、それぞれの年齢のライフステージにあった個人個人のケアプログラムを作成しいかに自分の歯を残すか、いかに口腔機能を改善維持するかなど口腔顎顔面の環境を機能と美の観点から、多くの患者の治療とケアに携わってきた。
  • 現在、日本⻭科大学⻭周病科非常勤講師、昭和大学⻭学部補綴学講座兼任講師、日本アンチエイジング⻭科学会理事、またアメリカ⻭周病学会会員、ICP(International College of Prosthodontics)会員、日本⻭周病学会会員、日本臨床⻭周病学会会員、日本インプラント学会会員、日本⻭科審美学会会員、日本オーラルヘルスケア学会会員など多くの学会に所属している。またP&P研鑽会という研究会を創設し、後進の育成にも力を注いでいる。
  • 1981年 歯科医師免許取得
  • 1982年 米国ミシガン大学歯学部大学院補綴学科入学
  • 1987年 同大学院修了、マスターオブサイエンス(MS)取得
  • 1987年 同大学歯学部大学院歯周病科入学
  • 1989年 同大学院修了、マスターオブサイエンス(MS)取得
  • 1989年 同大学歯学部 補綴科、歯周病科講師
  • 1990年 帰国
  • 1991年 日本歯科大学新潟生命歯学部補綴科非常勤講師
  • 1995年 日本歯科大学生命歯学部歯周病科非常勤講師
  • 1998年 日本歯周学会認定専門医取得
  • 1999年 千代田区にて神田橋デンタルオフィス開業
  • 現在 日本歯周病学会会員、日本インプラント学会会員、日本歯科審美学会会員、日本歯科アンチエイジング学会会員、アメリカ歯周病学会会員、国際歯科補綴医学会会員

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