根管治療

根管治療を⾏うにあたって
知っておいて欲しいこと

根管治療を必要とする疾患は、主に虫歯の継発疾患(⾍⻭が重症化した)です。
近年、予防⻭科あるいは初期のう蝕治療の分野が著しく進化し、⻭髄(⻭の神経)にまで細菌感染が及ぶことが少なくなってきています。
また、かつては疼みの発現の予防という観点から、早急に抜髄処置(神経を取る)に移⾏する⾵潮がありましたが、現在では「神経は最良の根管充塡材である」との観点から、なるべく抜髄処置は⾏われない⽅向にあります。
しかし、厚⽣労働省が発表している⽇本全国社会保険診療⾏為の請求回数を⾒てみると、根管治療が130 万症例を超え、⽇本全国⾄る所の⻭科医院でこれらの処置が多く⾏われていることが推察されます。
当院では出来るだけ神経を残すように治療を進めております。そのための⾍⻭の1次予防、2次予防にも⼒を⼊れております。
⼀⽅、現実に根管治療を⾏うにあたっては、近年、優れた器材や薬剤が数多く開発され臨床に供されていますが、保険適応外の器材や薬剤も相まって、なるべく経済的に圧迫しないようにと旧来のパターン化した治療法も混在しており、確固たるエビデンスの下に治療がなされているとは⾔いがたい現状にあります。
⻭科治療の根幹をなす根管治療は、的確な診断の下、より確実な予後が得られるような治療でなければなりません。
このような状況を鑑み、当院では根管治療の必要な⻭については、まず根管治療における科学的エビデンスのもと、学会の診療ガイドラインに沿った治療法を根管治療専⾨医がご説明いたしますが、従来の保険適応の治療を希望される場合はご遠慮なくお申し付けください。

当院の根管治療のポイント

マイクロスコープを使用した精密根管治療

根管治療は歯の内部、特に歯髄(歯の神経)とその周囲組織に対する治療です。
このような微細な領域での治療には高度な精密性が求められ、そのため当院ではマイクロスコープを活用した治療を行っています。
マイクロスコープは、これまで人間の目で見えなかった細かい部分を明瞭に観察することを可能にし、それによって治療の精度と成功率が大幅に向上します。
マイクロスコープを用いることで、例えば微細な裂け目や隠れた根管、さらには感染源となる細菌までを正確に特定することができます。
この精密な観察が、より効果的な根管洗浄や形成、さらには根管充填までを可能にします。

結果として、再治療の必要性が減少し、長期的な観点からも患者様の負担を軽減することが可能となります。
当院の専門歯科医がこのマイクロスコープを使った治療を担当することで、専門的なスキルと現代歯科医学のテクノロジーが融合します。
マイクロスコープの使用は根管治療の「新しいスタンダード」とも言えるでしょう。
患者様にとって、これは単なる治療時間の短縮やコストの削減につながるだけでなく、何より治療の質そのものが向上するという大きなメリットがあります。
マイクロスコープを活用した精密治療は、歯科治療の未来を切り拓く重要なステップであり、当院ではその最前線で取り組んでいます。

治療費用
抜髄
1根管 35,000円
2根管 55,000円
3根管 75,000円
4根管以上 85,000円
再根管治療
1根管 48,000円
2根管 68,000円
3根管以上 98,000円
MTA治療 25,000円
精密歯根端手術 150,000円(小臼歯部まで)

他医院での抜歯と言われても、当院の精密根管治療なら抜歯を回避できる可能性があります

抜歯という治療選択は、多くの患者様にとって大きな衝撃と不安をもたらします。
特に、一度抜歯と診断されるとその後の選択肢が限られてくるため、慎重な判断が求められます。
このような状況下で非常に有用なのが「セカンドオピニオン」、つまり第二の意見を求めることです。
当院では、他医院で抜歯と診断されたケースに対しても、可能な限りの治療オプションをご提案することが可能です。
これにはマイクロスコープを用いた精密な診断、高度な技術を要する根管治療、さらには歯根端切除など、多様な治療手法を根管治療の専門医が駆使します。
患者様一人一人の状態に合わせて、最も適した治療プランを立てることで、抜歯を回避できる場合も少なくありません。
セカンドオピニオンを求めることの重要性は、多角的な視点から最適な治療を選ぶ手段として非常に有効です。
治療方針は医師や治療環境、使用される技術によって大きく変わることがありますので、患者様自身が積極的に情報を得、自らの健康に責任を持つことが重要です。
他医院で抜歯と診断された場合でも、決して諦める必要はありません。
多くの選択肢と可能性が存在する医療の現場で、最適な治療を受けるためにはセカンドオピニオンが不可欠です。
当院はそのような患者様のサポートに全力で取り組んでいます。

CT撮影による精密かつ正確な診断

近年、歯科医療の診断技術は大きく進化していますが、その中でもCT撮影は特に注目されています。
従来のレントゲン写真に比べ、CT撮影は三次元的な情報を提供するため、症状の本質をより詳細に把握することが可能です。
当院では、このCT撮影を用いてより高度な診断を行います。
特に根管治療においては、歯の内部構造や隣接する神経、骨組織まで正確に評価できるため、治療計画の精度が大幅に向上します。
これにより、患者様が抱える問題点を早期に特定し、最適な治療方法を迅速に立案することができます。
また、CT撮影は不必要な侵襲を避けるための有力なツールともなっています。
例えば、歯根端切除が必要かどうか、抜歯の判断をする際など、精密な診断が求められる状況でその真価を発揮します。
具体的には、炎症や感染が広がっている範囲、歯と隣接する重要な構造(例:神経)への影響などを詳細に調査できます。
CT撮影による高度な診断は、治療の成功確率を高めるだけでなく、患者様に対する負担を最小限に抑える重要な手段です。
短時間で豊富な情報を得られるCTは、精密かつ迅速な治療を実現するための第一歩と言えるでしょう。

正確に歯内洗浄を行うニッケルチタンファイル

根管治療における重要なプロセスの一つが、感染した歯髄組織やバクテリアを除去するための歯内洗浄です。
これを効果的に行うためには、高品質な器具の使用が不可欠です。
ニッケルチタンファイルは、その中でも特に優れた特性を持つ器具であり、近年多くの歯科医院で採用されています。
ニッケルチタンファイルの最大の利点は、その柔軟性にあります。
従来のステンレス製のファイルよりも遥かに柔軟であり、曲がりくねった根管内でも確実に作業を行うことができます。
これにより、歯内洗浄の効率が大幅に向上します。
また、ニッケルチタンの素材特性によって、ファイルの破損や歯根への過度な圧力が低減されます。
これは患者様にとっても大きな安心感をもたらし、治療の安全性が高まります。
さらに、このファイルは早いスピードで効率よく作業ができるため、治療時間の短縮も可能です。
当院では、このニッケルチタンファイルを用いて、効率的かつ安全な根管治療を提供しています。

歯を長持ちさせるMTAセメント

MTAセメントは、根管治療で広く使用されているバイオセラミック材料です。
この素材は、主にカルシウムと酸素、シリコンからなり、非常に優れた生体適合性と封鎖性能を持っており、炎症反応を最小限に抑えることが多くの研究で示されています。
また、細菌に対する優れた封鎖能力によって、再感染のリスクを大幅に減少させることができます。
これらの特性は、特に根管治療や歯根端切除など、複雑な症例でも高い治療成功率を実現しています。
臨床結果においても、MTAセメントの使用は非常に評価されています。
従来の材料よりも長期的な成功率が高く、特に難治性の症例においてその効果を発揮します。
歯髄細胞の保存、新しい硬組織の形成、さらには感染した根管の完全な封鎖が可能となり、治療後の予後も大いに向上します。
当院では、これらの科学的根拠と臨床結果に基づき、MTAセメントを積極的に使用しています。

歯根端切除術

歯根端切除とは、根管治療が失敗した際や、根端の感染が治らないケースで行われる外科手術の一つです。
この手術は、抜歯を避けるための「最後の手段」として患者様が選択するオプションとなります。
具体的には、歯の根端部分を切除し、感染源となる組織を除去することで、保存が難しいとされた歯を救うことが目的です。
成功条件としては、まず高度な外科技術が必要とされます。
歯根端切除は繊細な手術であり、高い技術と経験が求められます。
次に、事前の診断が重要です。CT撮影などを活用し、感染の範囲や状態を正確に把握することが、手術の成功に直結します。
さらに、適切な材料の使用も成功の鍵となります。
MTAなどの高品質な材料を用いることで、感染防止と長期的な成功が期待されます。
当院では、マイクロスコープを用いて高度な精密治療を行い、熟練した専門歯科医が担当します。
歯根端切除は、保存が困難とされる歯を救う重要な選択肢です。
しかし、上述のような成功条件を満たすことで、より確実な治療結果を得られる可能性が高まります。
この手術が必要な場合、しっかりとした診断と高度な技術で、最良の治療を提供することが当院の使命です。

保険適用の根管治療

根管治療は高度な技術と精密な診断が求められる治療の一つです。
その中で、保険適用治療は経済的な負担が少ないというメリットがありますが、その反面、いくつかの重要な制限が存在します。
まず、保険適用の治療方法は時に限られた選択肢しか提供できない場合があります。
特に、最新の治療技術や材料が用いられないケースが多く、それが治療結果や長期的な予後に影響を与える可能性があります。
また、保険適用治療は一般的には短期間での効果を求める治療が多く、根本的な解決を目指した治療計画が立てにくいです。
このような短期的な視点は、結果として再治療の必要性を高め、長期的な負担を増やす可能性があります。
当院では、患者様に最適な治療を提供するために、保険適用治療よりも高度な技術や材料を用いた自費治療を推奨しています。
特に根管治療においては、その複雑性と重要性を考慮に入れ、最良の治療法を選ぶことが非常に重要です。
経済的な負担と効果のバランスは大切ですが、長期的な健康と快適性も考慮に入れた治療選択が求められます。
当院としては、そのようなバランスを最適に保つために、保険適用治療は基本的に推奨していないのが現状です。
治療の選択にあたっては、十分な説明と共に、患者様と一緒に最良の選択をするよう心がけています。

なるべく歯を残すために

根管治療は、しばしば痛みや不便といったネガティブなイメージにつきまとわれがちですが、当院ではその常識を覆す治療を目指しています。
高度な技術と高品質な材料を用い、患者様ひとりひとりの状況に合った、個別化された治療プランを提供しています。
この先、何年も何十年もお口の健康を保つためには、短期的なコスト削減よりも、質の高い治療を受けることが最良の投資であると考えています。
経済的負担が心配される方には、多様な支払いオプションをご提案させていただきます。
今まで述べてきたように、根管治療は歯科治療の中でも特に高度な専門性が要される分野です。
その複雑性と重要性を理解し、科学的エビデンスに基づいて、最適な治療を選ぶことが何より重要です。
ご不明点やご質問がありましたら、どうぞお気軽に当院までお問い合わせください。
一緒に最良の治療選択を見つけ、長期的な口腔の健康と快適性を実現しましょう。

神田橋デンタルオフィス

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