歯のコラム

歯周病と糖尿病には密接な関係がある?それぞれの影響と予防法

2026年6月6日

歯周病の歯茎を示す歯科医の指

こんにちは。東京都千代田区「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」です。

歯周病と糖尿病は、一見すると関係のない別々の病気に思えるかもしれません。しかし、近年の研究によって、両者には密接な関連があることが明らかになってきました。どちらか一方を放置すると、もう一方の病状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

この記事では、歯周病と糖尿病の基本的な情報や、両者の関係性、予防法について詳しく解説していきます。

歯周病とは

歯周病を気にして鏡で歯茎を確認しているミドル男性

歯周病は、歯茎や歯を支える骨などの歯周組織が細菌によって炎症を起こす病気です。歯を失う原因として最も多い疾患で、日本人の成人の約8割が歯周病になっている、もしくは何らかの症状を抱えているとされています。

初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行していくのが特徴のため、サイレントディジーズ(静かなる病気)とも呼ばれます。

初期の段階にあたる歯肉炎では、歯茎が赤く腫れたり、ブラッシング時に出血したりするだけで、強い痛みは伴わないため放置されることが少なくありません。さらに進行すると歯周炎となり、歯茎が下がったり、歯を支える骨が溶けて歯がぐらついたりし始めます。歯を支える組織が大きく失われると、歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病の主な原因は、プラークと呼ばれる歯垢に含まれる細菌です。これらの細菌が毒素を出し、歯周組織に炎症を引き起こします。また、喫煙や不規則な生活習慣、ストレスなども歯周病の進行に影響すると考えられています。

初期段階で適切に対処すれば改善が期待できますが、放置すると回復が難しくなる病気です。

糖尿病とは

血糖値を測っているイメージ

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く病気です。本来、食事で糖分を摂取すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を一定に保つ働きをします。しかし、糖尿病になると、インスリンの分泌が不足したり、うまく働かなくなったりして、血糖値が高い状態が続くようになります。

糖尿病は1型と2型に分けられますが、日本人の多くは2型糖尿病で、生活習慣や遺伝が発症に関係していると考えられています。血糖値が高い状態が続くと、血管がダメージを受け、目や腎臓、神経など全身にさまざまな合併症を引き起こすリスクがあります。

そのため、糖尿病は全身の健康に大きく関わる病気といえるのです。

歯周病と糖尿病の関係

歯周病と糖尿病の関係について歯の模型で説明する歯科医

近年の研究により、歯周病と糖尿病は相互に影響を与える関係であることが明らかになっています。ここでは、歯周病と糖尿病の関係性を確認していきましょう。

糖尿病が歯周病に及ぼす影響

糖尿病の人は、そうでない人と比べて歯周病にかかりやすく、進行もしやすくなります。これは、血糖値のコントロールが不十分な状態が続くことで、免疫機能が低下して細菌に対する抵抗力が弱まるためです。

歯周病は歯周病菌による感染症なので、免疫機能が低下している状態では歯周病になりやすく、悪化しやすいのです。

また、血流が悪くなっている影響で、歯ぐきの炎症が治りにくく、感染が広がりやすくなることも原因のひとつです。さらに、糖尿病の合併症として神経の感覚が鈍くなることがあり、歯ぐきの異変に気づきにくくなることで、症状の進行に気づくのが遅れやすい点にも注意が必要です。

歯周病が糖尿病に及ぼす影響

歯周病がもたらす炎症は、口腔内だけにとどまらず、全身へと波及します。炎症によって産生される物質の中には、体内のインスリンの働きを弱めるものが含まれており、これが血糖値のコントロールを妨げる原因となります。その結果、歯周病が悪化している人ほど糖尿病の進行が速まる、あるいは治療の効果が出にくくなるといった傾向が見られます。

また、歯周病による炎症が慢性的に続くことで、常に身体が軽度のストレス状態にさらされます。この状態が続くと、血糖値はさらに不安定になりやすくなります。

歯周病は単なる口の病気ではなく、糖尿病管理において無視できない存在なのです。

歯周病を予防するためには

糖尿病の薬を飲むイメージ

歯周病を予防するためには、日々の習慣や意識を見直すことが大切です。

正しい歯磨き習慣を身につける

歯周病を防ぐためには、まず毎日の歯磨きを丁寧に行うことが基本です。

特に大切なのは、歯と歯ぐきの境目を意識して磨くことです。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く持ち、歯ぐきのラインに対して45度の角度で当て、小刻みに動かしながら汚れを落としましょう。強く磨きすぎると歯ぐきを傷つける原因になるため、やさしく磨くことが大切です。

また、歯ブラシだけでは落としきれない汚れもあるため、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助器具も活用することを意識してください。歯間ブラシは歯のすき間の大きさに合ったものを選ぶことが重要なので、選び方に不安がある方は歯科医院で相談してみると良いでしょう。

毎食後の歯磨きが理想ですが、難しい場合は1日2回、特に寝る前は必ず磨く習慣をつけましょう。睡眠中は唾液の分泌が減り、口内が乾燥しやすくなって細菌が繁殖しやすいので、寝る前の歯磨きは歯周病の改善・予防に欠かせません。

定期的に歯科検診を受ける

歯周病の初期段階は痛みなどの自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくいものです。そのため、異常がなくても定期的に歯科医院で検診を受けることが重要です。

歯科医師や歯科衛生士によるチェックを受けることで、プラークや歯石を早期に除去でき、歯ぐきの炎症や出血といった歯周病のサインにもすぐに対応できます。特に、糖尿病の方は、3か月に1回程度の頻度で通院することで、歯周病の進行を防ぎやすくなります。

「定期的に通うのは大変」と感じるかもしれませんが、歯周病が悪化して治療が必要になった場合、通院頻度が高くなったり、費用の負担が増加したりします。歯科検診は、治療よりもずっと簡単で負担の少ない予防策といえるのです。

生活習慣を見直す

歯周病の予防には、毎日の食生活や睡眠、ストレス管理なども深く関係しています。砂糖の多い食品を控える、よく噛んで食べる、栄養バランスを整えるといった基本的な生活習慣が、歯ぐきの健康にも良い影響を与えます。

また、睡眠不足や過度なストレスは免疫力の低下を招き、歯周病が進行しやすい状態を引き起こします。規則正しい生活リズムと、心身の健康を意識することが、口の中の健康維持にもつながるのです。

歯科医師と連携して治療を進める

全身の健康状態が、口腔環境に影響を与えるケースは少なくありません。特に、糖尿病や高血圧といった生活習慣病がある方は、歯周病のリスクが高まるだけでなく、治療の経過にも影響を及ぼす可能性があります。

こうした背景がある場合、一つの診療科だけでなく、歯科医師と内科医が連携して対応することが重要です。お互いの情報を共有することで、全身の状態を踏まえた適切な治療計画を立てられるようになり、どちらの症状の改善にもつながっていくでしょう。

糖尿病の管理を徹底する

歯周病を予防するうえで欠かせないのが、血糖値を安定させることです。糖尿病の状態が悪いと、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり、炎症が進行しやすくなります。そのため、食事療法や運動、内服薬やインスリン治療を通じて血糖値を適切にコントロールすることが大切です。

血糖値が安定していることで、歯ぐきの健康も守られやすくなり、歯周病の予防や改善につながります。定期的な通院と自己管理の両輪で、全身と口の健康を保つことが重要です。

まとめ

糖尿病や歯周病にならないようにジョギングをしている男性たち

歯周病と糖尿病は、互いに影響を及ぼし合う関係にあります。糖尿病が歯ぐきの抵抗力を弱め、歯周病の進行を早める一方で、歯周病による炎症が血糖値を悪化させ、糖尿病のコントロールを難しくするという関係性が知られています。

しかし、この2つの病気に正しく向き合い、適切な対策を続けることで、連鎖を断ち切ることは十分可能です。日々の丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診、そして糖尿病の管理を怠らないことが、健康な未来への第一歩となるでしょう。

歯周病の治療を検討されている方は、東京都千代田区「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では、1本の歯を守ることにこだわって予防・治療を行っています。虫歯・歯周病治療のみならず、予防歯科や矯正治療、審美治療にも力を入れております。

当院のホームページはこちらWeb予約もお受けしております。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひご覧ください。

帆足 公人 理事長

■この記事の監修者

帆足 公人 理事長

経歴
  • 1981年、歯科医師国家試験合格、歯科医師免許取得後、米国ミシガン大学(University of Michigan)歯学部大学院に入学。 補綴学(入れ歯や差し歯、審美やインプラント、噛み合わせや顎関節症などを専門とする学問)と歯周治療学(歯周病を専門とする学問)のダブルマスター(2つの学科の専門医)を取得。両学科の講師を経て1990年に帰国。
  • 9年間のアメリカ留学中に学んだ先端歯科医療技術と同時に、予防に対する意識の高さに感銘し、日本での治療中心のCure(治療)からCare(ケア)への予防歯科医療を目指し、早くから日々の臨床に取り組んできた。
  • 1999年5月に現在の医療法人社団公歯会、神田橋デンタルオフィスを開業し、それぞれの年齢のライフステージにあった個人個人のケアプログラムを作成しいかに自分の歯を残すか、いかに口腔機能を改善維持するかなど口腔顎顔面の環境を機能と美の観点から、多くの患者の治療とケアに携わってきた。
  • 現在、日本⻭科大学⻭周病科非常勤講師、昭和大学⻭学部補綴学講座兼任講師、日本アンチエイジング⻭科学会理事、またアメリカ⻭周病学会会員、ICP(International College of Prosthodontics)会員、日本⻭周病学会会員、日本臨床⻭周病学会会員、日本インプラント学会会員、日本⻭科審美学会会員、日本オーラルヘルスケア学会会員など多くの学会に所属している。またP&P研鑽会という研究会を創設し、後進の育成にも力を注いでいる。
  • 1981年 歯科医師免許取得
  • 1982年 米国ミシガン大学歯学部大学院補綴学科入学
  • 1987年 同大学院修了、マスターオブサイエンス(MS)取得
  • 1987年 同大学歯学部大学院歯周病科入学
  • 1989年 同大学院修了、マスターオブサイエンス(MS)取得
  • 1989年 同大学歯学部 補綴科、歯周病科講師
  • 1990年 帰国
  • 1991年 日本歯科大学新潟生命歯学部補綴科非常勤講師
  • 1995年 日本歯科大学生命歯学部歯周病科非常勤講師
  • 1998年 日本歯周学会認定専門医取得
  • 1999年 千代田区にて神田橋デンタルオフィス開業
  • 現在 日本歯周病学会会員、日本インプラント学会会員、日本歯科審美学会会員、日本歯科アンチエイジング学会会員、アメリカ歯周病学会会員、国際歯科補綴医学会会員

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