歯のコラム

喫煙がインプラントに与える影響とは?治療を受ける前に理解しておくこと

2025年7月12日

インプラントの説明をする歯科医師

こんにちは。東京都千代田区「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」です。

喫煙は健康にさまざまな影響を及ぼすことが知られていますが、インプラント治療においても大きな影響を及ぼします。

この記事では、喫煙がインプラント治療に与える具体的な影響について解説します。また、インプラントを長持ちさせるために禁煙以外で大切なこともご紹介していますので、安心して治療に臨むきっかけとしてください。

喫煙がインプラントに与える影響

喫煙のイメージ

喫煙はインプラント治療における大きなリスク因子のひとつです。手術前後の経過だけでなく、治療後のインプラントの寿命にも深く関わってきます。ここでは、喫煙が口腔内に与える影響と、それがインプラント治療にどのような悪影響を及ぼすかを詳しく解説します。

喫煙が口腔内環境に与える悪影響

タバコに含まれる有害物質は、口腔内のさまざまな機能に悪影響を及ぼします。

たとえば、ニコチンは血管を収縮させる作用があり、その結果、歯茎や顎の骨に酸素や栄養が行き渡りにくくなります。これにより、傷の治りが遅れたり、炎症が慢性化しやすくなったりすることがあるのです。

さらに、一酸化炭素やタールなどの有害成分が口腔粘膜にダメージを与えると、局所的な免疫力が低下し、細菌感染が起こりやすい状態になります。こうした免疫機能の低下は、日常的な歯周病菌や虫歯菌への抵抗力も弱めることにつながります。

また、喫煙は唾液の分泌量にも影響を与え、口の中の自浄作用が低下します。唾液が減ることでプラーク(歯垢)が蓄積しやすくなり、細菌が増殖しやすい環境が整う原因となります。

このように、喫煙によって生じる血流障害・免疫力の低下・唾液の分泌量の減少といった複合的な影響は、歯周病や虫歯のリスクを高めるのです。

インプラント治療に対する喫煙の影響

インプラント治療において、特に注意すべき合併症がインプラント周囲炎です。

これは、インプラントの周囲にある歯茎や骨に炎症が生じる病気で、いわばインプラントの歯周病ともいえるものです。細菌感染が原因で発症し、歯茎の腫れ・出血だけでなく、進行すると骨が吸収され、最終的にインプラントが脱落するリスクもあります。

インプラントは天然歯と違い、細菌に対するバリア機能を持つ歯根膜がないため、一度炎症が起こると進行が早く、治療も難しいとされています。

喫煙により血流が悪くなり、免疫力が低下した状態では、手術部位の治癒が遅れやすく、細菌への抵抗力も弱まります。その結果、インプラントと顎の骨との結合がうまくいかずに脱落する可能性があるのです。

治療成功率を高めるためにも、喫煙習慣は手術前から見直す必要があります。

加熱式タバコであれば問題ない?

加熱式タバコのイメージ

「紙巻きタバコはダメでも、加熱式タバコなら問題ないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、加熱式タバコもインプラント治療に影響を与えます。加熱式タバコは従来の紙巻きタバコと比較して煙が少なく、一見すると害が少ないように感じられるかもしれません。

しかし、加熱式タバコにもニコチンや一酸化炭素、発がん性物質は含まれており、血流の悪化や組織の再生を妨げる作用があります。

そのため、加熱式であっても血流が悪くなり、インプラントと骨の結合が阻害されたり、歯茎の治癒が遅れたりするリスクは紙巻きタバコと本質的に変わらないのです。

つまり「加熱式だから安全だろう」という認識は誤解であり、インプラント治療の成功を望むのであれば、種類にかかわらずタバコは控えることが重要なのです。

インプラント治療後であれば喫煙しても問題ない?

インプラント治療後であれば喫煙しても問題ないのか考える男性

「インプラントが骨にしっかり結合したら、またタバコを吸いはじめても問題ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、インプラントが無事に骨と結合したあとでも、喫煙は口腔環境に慢性的な悪影響を及ぼします。

喫煙によってダメージを受けた血流や免疫状態は回復しないまま残り、わずかな炎症がきっかけで骨吸収が進行するリスクが高まります。また、唾液の減少や粘性の変化により口の中の自浄作用も低下するため、細菌が増殖しやすい状態が続き、炎症が慢性化しやすくなります。

しかも、喫煙者は歯茎の腫れや出血といった炎症のサインが現れにくいため、気が付かないままトラブルが進行していくケースも少なくありません。

インプラントが動いたり脱落したりすることもあり、見た目だけでなく、噛む力(咬合機能)にも深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。

これらのリスクを避け、長期間インプラントを大切に使っていくためにも、治療後であっても喫煙は避けるべきといえるでしょう。

インプラントを長く使用するために禁煙以外で大切なこと

歯科検診を受ける女性

禁煙がもっとも重要な予防策であることに変わりはありませんが、それ以外にもインプラントを長持ちさせるために取り組むべきことがあります。

正しいセルフケアを継続する

インプラントも天然歯と同様に、毎日の丁寧なセルフケアが欠かせません。特に細菌の塊であるプラークをしっかり取り除くことが、インプラント周囲炎の予防に直結します。

歯ブラシに加えて、歯間ブラシやフロスを用いて歯とインプラントのすき間に付着したプラークまで丁寧に取り除きましょう。

定期的に歯科検診を受ける

インプラント治療後は、3ヶ月〜半年に1回の頻度で定期検診を受けることが推奨されます。

検診では、歯茎や骨の状態、インプラントの安定性、噛み合わせ、セルフケアの状態などを確認します。問題が早期に見つかれば、簡単な処置で済むことが多く、インプラントを長持ちさせることにもつながります。

また、どれほど丁寧にセルフケアを行っていても、歯ブラシでは落としきれないプラークや歯石は時間とともに蓄積していきます。これらはインプラント周囲炎の大きな原因となるため、歯科医院でのプロフェッショナルケアが欠かせません。

歯科医院でのクリーニングでは、専用の器具を使って、ご自身では除去できない汚れを丁寧に取り除きます。このようなプロフェッショナルケアを継続することで、口腔内を清潔に保ち、インプラント周囲炎の発症リスクを大きく下げることができます。

治療後も安心してインプラントを使い続けるために、ぜひ定期的な通院を習慣にしましょう。

全身疾患を管理する

糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患は、インプラントの成功率や寿命に影響を与える可能性があります。

特に糖尿病は、免疫力の低下や血流の悪化を招き、インプラント周囲炎のリスクを高めます。これらの疾患をお持ちの場合は、かかりつけ医と連携し、適切な管理を行うことがインプラントの健康を維持するためにも重要です。

規則正しい生活を送る

健康な口腔環境を維持するためには、規則正しい生活習慣とバランスの取れた食事も大切です。十分に睡眠をとり、ストレスを適切に管理することで、免疫力を維持でき、口腔内の健康にも良い影響を与えます。

また、偏った食事ではなく、ビタミンやミネラルを豊富に含むバランスの取れた食事を心がけることで、骨や歯茎の健康をサポートし、インプラントの安定性にも貢献します。

まとめ

笑顔の三世代家族

喫煙はインプラント治療の成功率を低下させ、将来的なトラブルを招く大きなリスクとなります。

インプラント治療中に喫煙をすると、免疫力の低下によってインプラントの結合や治癒が妨げられ、成功率が下がります。また、治療後であっても、喫煙をするとインプラント周囲炎の原因となり、インプラントの脱落につながるおそれがあります。

加熱式タバコも本質的なリスクは変わらず、安全とはいえません。

治療の成功と長期安定のためには、禁煙がもっとも確実な対策といえるでしょう。あわせて、日々のセルフケア、定期的な歯科受診、そして全身の健康管理を意識することで、インプラントを長く快適に使用することができます。

インプラント治療を検討されている方は、東京都千代田区「大手町駅」C1出口より徒歩5分、「神田駅」より徒歩8分にある歯医者「神田橋デンタルオフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では、1本の歯を守ることにこだわって予防・治療を行っています。虫歯・歯周病治療のみならず、予防歯科や矯正治療、審美治療にも力を入れております。

当院のホームページはこちらWeb予約もお受けしておりますので、ぜひご活用ください。

帆足 公人 理事長

■この記事の監修者

帆足 公人 理事長

経歴
  • 1981年、歯科医師国家試験合格、歯科医師免許取得後、米国ミシガン大学(University of Michigan)歯学部大学院に入学。 補綴学(入れ歯や差し歯、審美やインプラント、噛み合わせや顎関節症などを専門とする学問)と歯周治療学(歯周病を専門とする学問)のダブルマスター(2つの学科の専門医)を取得。両学科の講師を経て1990年に帰国。
  • 9年間のアメリカ留学中に学んだ先端歯科医療技術と同時に、予防に対する意識の高さに感銘し、日本での治療中心のCure(治療)からCare(ケア)への予防歯科医療を目指し、早くから日々の臨床に取り組んできた。
  • 1999年5月に現在の医療法人社団公歯会、神田橋デンタルオフィスを開業し、それぞれの年齢のライフステージにあった個人個人のケアプログラムを作成しいかに自分の歯を残すか、いかに口腔機能を改善維持するかなど口腔顎顔面の環境を機能と美の観点から、多くの患者の治療とケアに携わってきた。
  • 現在、日本⻭科大学⻭周病科非常勤講師、昭和大学⻭学部補綴学講座兼任講師、日本アンチエイジング⻭科学会理事、またアメリカ⻭周病学会会員、ICP(International College of Prosthodontics)会員、日本⻭周病学会会員、日本臨床⻭周病学会会員、日本インプラント学会会員、日本⻭科審美学会会員、日本オーラルヘルスケア学会会員など多くの学会に所属している。またP&P研鑽会という研究会を創設し、後進の育成にも力を注いでいる。
  • 1981年 歯科医師免許取得
  • 1982年 米国ミシガン大学歯学部大学院補綴学科入学
  • 1987年 同大学院修了、マスターオブサイエンス(MS)取得
  • 1987年 同大学歯学部大学院歯周病科入学
  • 1989年 同大学院修了、マスターオブサイエンス(MS)取得
  • 1989年 同大学歯学部 補綴科、歯周病科講師
  • 1990年 帰国
  • 1991年 日本歯科大学新潟生命歯学部補綴科非常勤講師
  • 1995年 日本歯科大学生命歯学部歯周病科非常勤講師
  • 1998年 日本歯周学会認定専門医取得
  • 1999年 千代田区にて神田橋デンタルオフィス開業
  • 現在 日本歯周病学会会員、日本インプラント学会会員、日本歯科審美学会会員、日本歯科アンチエイジング学会会員、アメリカ歯周病学会会員、国際歯科補綴医学会会員

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